※写真は嘉手納飛行場・陸軍貯油施設(桑江タンクファーム・砂辺)・嘉手納弾薬庫・トリイ通信施設の4施設を望む。
嘉手納飛行場(施設面積:19,855,000㎡)
約3,700mの滑走路2本を有する米空軍基地で居住地区には学校、ゴルフ場、映画館、スーパーなど多種の米軍支援施設があります。
嘉手納弾薬庫(施設面積:26,585,000㎡)※滑走路横の森林緑地が広がる区域
嘉手納飛行場に隣接する広大な森林地帯で、弾薬庫と支援室があります。空軍管理で四軍全部の任務を支援しています。
トリイ通信施設(施設面積:1,934,000㎡)※写真中央上の区域
正面に大きな鳥居がある通信施設で陸軍の通信網重要施設で、黙認耕作地が多く存在します。
軍用地について
駐留米軍(33施設:約186,970,000㎡)と県内自衛隊基地(47施設:約7,798,000㎡)、那覇空港用地(約4,900,000㎡)を含めた3施設の民有地部分が軍用地(土地売買)として取引されております。
軍用地料(年間賃借料)について
沖縄県の軍用地(駐留米軍:国有地23.5%・県市町村有地37.0%・民有地39.5%)と(自衛隊基地:国有地23.1%・市町村有地19.1%・民有地57.8%)は、その半数近くが民有地(個人所有地・法人所有地)で、その為、国が土地(軍用地)を賃借しております。施設ごとの平方メートルあたりの単価に、所有する面積をかけた金額(年間賃借料)が毎年7月下旬~8月初旬頃(地主会加入の場合)に地主様指定口座に(軍用地・年間賃借料)が支払われます。
年間賃借料の上昇について
令和3年3月現在、年間賃借料総額(約1,020億円が約54,700名の地主様)に支払われており、沖縄県軍用地主連合会が翌年度の予算案計上し、国が翌年の賃借料を決定します。各施設・種別(地目)により相違しますが、これまでは毎年1%前後の上昇があり、軍用地が複利で上昇するといわれる所以です。
売買(取引価格)について
土地の売買といえば坪数×坪単価=売買価格が一般的ですが、軍用地取引の場合、年間賃借料×取引倍率という方法で決定し取引されております。
取引倍率について
倍率は誰が決めるのかというご質問をよく頂きます。もちろん売主様への市場説明、ご要望(取引倍率)を伺っての市場への供給になりますが、答えは市場の需要と供給のバランスで決まります。例えば、嘉手納飛行場(沖縄市・北谷町・嘉手納町にまたがっています。)ですと、各施設の利用状況(滑走路上・ハウジングエリア・平坦地など)、地目(賃借料単価の相違)、フェンス内外、黙認耕作地、売却軍用地の面積(面積が広いと取引価格も高額になります。)などなど同じ施設でも取引倍率に若干の相違が出る傾向があります。
取引の現状について
返還見込みの少ない施設は高倍率で取引される傾向ですが、各施設で取引倍率が異なりますが、右肩上がりで上昇してきた沖縄県内の軍用地の取引倍率ですが、人気施設(嘉手納飛行場等)も含め全体的にここ数年は一服感があります。
軍用地返還について
現在のところ、嘉手納飛行場以北は返還合意がありませんが、嘉手納飛行場より南は返還予定地になっております。地理的にも返還予定地は沖縄本島の好立地にあることから、過去に返還された現在の小禄金城地区(旧那覇空軍・海軍補助施設)、那覇新都心地区(旧牧港住宅エリア)、北谷町北前地区(旧ハンビー飛行場)、北谷町美浜・桑江(旧メイモスカラー射撃場+埋め立て)、北谷町伊平、桑江地区(キャンプ桑江北側)、ライカム地区(キャンプ瑞慶覧・旧泡瀬ゴルフ場)が返還後の発展で土地・資産価値の上昇、経済効果が顕著であった事などから、これから返還が予定されている、キャンプ桑江南側(キャンプレスター)・キャンプ瑞慶覧(キャンプフォスター)・普天間飛行場・牧港補給地区(キャンプキンザー)等は返還前軍用地として賃借料を受け取り、返還後の土地の利活用を期待した取引も活発に行われております。
利回りについて
ケース① 500,000円(年間賃借料)×42倍(取引倍率)=2,100万円で購入の場合・表面利回り 2.38% ※仮に毎年1%上昇した場合 10年後 546,843円(10年後の年間賃借料)2.63%(複利・利回り)
ケース② 500,000円(年間賃借料)×52倍(取引倍率)=2,600万円で購入の場合・表面利回り 1.92% ※仮に毎年1%上昇した場合 10年後 546,843円(10年後の年間賃借料)2.15%(複利・利回り)
※上記のように、国債・預貯金等の金利よりは高く、アパート、マンション経営のように投資用物件としては高利回りではありませんが、空室リスクや高額な修繕費等の発生や負担はありませんので、軍用地は国が借主のため、安心安全・確実な収入です。